やせっぽち寄稿文

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【世界の終わり/幻の命】10周年を迎えたSEKAI NO OWARIの始まりについて。


2020年2月10日、バンド・SEKAI NO OWARIデビュー10周年を迎えた。
ロックミュージック、エンターテイメント、そしてファンタジー。バンドの根幹が変わらないために絶えず変化を求め続けた彼らの音楽は、まっすぐに私たちの心に届き、感動と衝撃と勇気と希望を与えてくれる。
そんな彼らの音楽の原点は一体何なのか。10年間変わることのなかったものとは一体何なのか。
今回は彼らのデビュー曲『幻の命』について語りながら、SEKAI NO OWARIの真髄に迫りたい。

デビュー曲 『幻の命』

”SEKAI NO OWARI”  の始まり、『幻の命』


世界の終わり/幻の命

それはまだ "SEKAI NO OWARI"  が ”世界の終わり" だった頃、2010年2月10日。
その日彼らが上げた産声は、流産を歌った曲だった。

白い星が降る夜に 僕からの賛美歌を
蒼い銀河の彼方にUFOが 君を連れて消えていく
白い病院で死んだ 幻の命に
眠れない夜に夢で逢えたらと 蒼い月に祈るんだ

幻の命 作詞 深瀬慧

白い病院で死んだ『幻の命』。生まれてくることを許されなかった小さな命を歌ったシリアスなリリックは、曲を聴いた人々に衝撃をもたらした。彼らがデビュー曲に選んだのは恋愛ソングでも応援ソングでもなく”流産”を題材にした楽曲。そんな選択をするバンドなど聞いたことがなかった。

そしてこの曲の美しい言葉の数々は、同時に残酷な影を落としこんでいた。

嘘が煌めく夜に 偽物の花束を
蒼い銀河の彼方にUFOが 僕を連れて消えていく
白い病院で「死んだ」 僕達の子供は
「もうこの世界にはいない」のに何で何も 感じないんだろう

幻の命 作詞 深瀬慧

白い病院で「死んだ」幻の命。「もうこの世界にはいない」小さな命。わざわざ鍵括弧で囲んだ言葉にはきっと意味があるはずだ。
これは ”嘘が煌めく夜” の歌。一度宿った命を拒んだ歌。「死んだ」んじゃない。「殺した」んだ。「この世界にはいない」んじゃない。「この世界から消した」んだ。
暗にそう訴えかけられているようで胸が苦しくなる。途端に酸素が薄くなる。

私たちが決して逃れることのできない "命” という重力。世界の終わりは誰も他人ごとになどできるはずがない "命" という現実を、デビュー曲に投影したのである。それも、実に脆く儚いものとして。

 
楽曲では終始、ピアノの美しい音色が響き渡る。

37秒の前奏。1分を超える間奏。まるでピアノが息をしているみたいに、鍵盤の擦れる微かな音が聞こえてくる。ノイズの修正なんかされていない、本来そこにあるべき音。
この音は確かに、現実の世界に『幻の命』という楽曲が存在している証である。

幻に夢で逢えたら それは幻じゃない
僕が幻になれた夜 白い星が空に降る

April 30, 2005
Our child became the phantom.
We named “the life of phantom”, TSUKUSHI.
It was a night with the red moon blazing beautifully.

幻の命 作詞 深瀬慧

私たちはいつしか呼吸を忘れ、その世界に沈み込む。涙で視界が滲む。段々と息が荒くなる。

これは遠い天国の物語でも、薄暗い地獄の唄でもない。確かにこの世界に存在した、生まれてくるはずだった『幻の命』。私たち人間から切っても切り離せない "命" の歌なのだ。どんなに栄華の中心にいようと、世界の終わりのようなどん底にいようと逃れることなどできない、 "命" を歌った曲なのである。

 
“命" という血液は、その後の世界の終わり、そしてSEKAI NO OWARI のすべての楽曲の根底を流れ続ける。どれだけ彼らがどん底にいようと、世間に受け入れられようと。たとえそれがバンドミュージックだろうと、エンターテイメントだろうと、ファンタジーだろうと。その奥底にあるものは何一つとして変わっていない。


世界の終わりの始まり。
それは "嘘が煌めく夜に「死んだ」"  幻の命の歌だった。

writer 骨助

幻の命

幻の命

  • SEKAI NO OWARI
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

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