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【乃木坂46/シンクロニシティ】歌詞の意味を考察! 紅白披露の名曲を読み解く


乃木坂46『シンクロニシティ』。意味は《共時性》《意味のある偶然の一致》


乃木坂46より 『シンクロニシティ』

2018年発売の楽曲で、同年12月には日本レコード大賞を受賞。2019年度の紅白歌合戦でも歌唱されるなど、多くの人々に愛されている乃木坂46の名曲です。レコ大での涙ながらのパフォーマンスにもらい泣きしたのはきっと私だけではないはず。

メンバーのパフォーマンスもさることながら、不意に流れる涙に意味を見出したその歌詞がもうめちゃくちゃ素晴らしい。聴いていると自然に優しい涙が溢れてくるような、人間的な暖かさを感じます…

ここではそんな歌詞に注目し、楽曲を考察していければと思います…!

 

 

タイトル『シンクロニシティ』

タイトルの『シンクロニシティ』。日本語では「共時性」「同時性」などと訳され、具体的には「意味のある偶然の一致」を意味している概念です。全く関係のない二つの出来事が、さもお互いが関係しあっているように見えることってありますよね。

この楽曲では自分が流した「涙」他の誰かが流した「涙」を引き合いに出し、そこにはきっと何か意味があるはずだ、偶然なんかではないはずだ、と語られていきます。

2つの涙の関係性こそがまさしく『シンクロニシティ』《意味のある偶然の一致》というわけです。

それではさっそく歌詞を細かく見ていきましょう。

 

歌詞解釈

 

1番

悲しい出来事があると
僕は一人で
夜の街をただひたすら歩くんだ

背中丸め俯いて 行く当てなんかないのに
雑踏のその中を彷徨う
キープゴーイング (ウォウ…)

シンクロニシティ 作詞 秋元康

悲しい出来事があると、行く当てもなく夜の雑踏を彷徨う。

この歌詞だけを見ると目的が一切わかりませんが、ここからの歌詞でその意味が明らかになっていきます。先に結末だけ示しておいて、後で伏線を回収していくサスペンスドラマなんかでありがちな形式です。

 

すれ違う見ず知らずの人よ
事情は知らなくてもいいんだ
少しだけこの痛みを感じてくれないか?
信号を待つ間にちょっとだけ時間をいいかい?
この気持ちがわかるはずだシンクロニシティ

シンクロニシティ 作詞 秋元康

雑踏の中を彷徨う理由がここで示されます。《少しだけこの痛みを感じてくれないか?》。その目的は、誰かと胸の痛みを共有すること。

ここで一つポイントなのが、言葉を交わすでもなくただ時間を共有しているだけであるという点です。事情も知らない誰かに、ただ同情を促しているだけ。

《この気持ちがわかるはずだシンクロニシティ》

その詳しい内容は『シンクロニシティ』という言葉に集約されていて、これまたこの歌詞だけ見てもイマイチ全容が掴めません。何をもってこの気持ちがわかるはずなんだろう、という疑問が浮かび上がってきます。

多くの謎を残したまま、曲は1番のサビへと差し掛かります。

 

きっと
誰だって 誰だってあるだろう
ふいに気づいたら泣いてること
理由なんて何も思い当たらずに
涙が溢(こぼ)れる
それは
そばにいる そばにいる誰かのせい
言葉を交わしていなくても
心が勝手に共鳴するんだ
愛を分け合って
ハモれ (ウォウ…)

シンクロニシティ 作詞 秋元康

ふいに気付いたら泣いているのは、そばにいる誰かのせいだ。言葉なんて交わさなくても、きっと心が勝手に共鳴するんだ。

ここで『シンクロニシティ』という言葉の全容が明らかとなり、ここまでの歌詞の謎に対する答えが与えられています。

誰だってふいに気付いたら泣いていた、なんて経験が一度はあるでしょう。そして、本来そこに深い意味なんてないはずです。ただちょっと目が乾いていただけなのかもしれないし、何か小さなごみが入り込んできただけかもしれません。たまたま偶然泣いている、と言ってしまえばそれまでの話です。

だけど、きっとそれはそばにいる誰かのせいなんだ――言葉なんか交わさなくたって、誰かと心が共鳴しているんだ。愛を分け合っているんだ。この涙には意味があるはずなんだ。そんな想いこそが『シンクロニシティ』《意味のある偶然の一致》なのです。

だから主人公は雑踏の中を歩いていきます。すれ違う見ず知らずの人であっても、きっとこの痛みを感じてくれるはず。心が勝手に共鳴してくれるはずだからです。

 

この少々オカルトじみているようにも見える『シンクロニシティ』を踏まえて曲は2番へ。サビで前に出てくるアコギがめちゃくちゃいい味出してますよね…

 

 

2番

みんなが信じてないこの世の中も
思ってるより愛に溢れてるよ
近づいて「どうしたの?」と聞いて来ないけど
世界中の人が誰かのこと思い浮かべ
遠くのしあわせ願うシンクロニシティ

シンクロニシティ 作詞 秋元康

《みんなが信じてないこの世の中も 思ってるより愛に溢れてるよ》

『シンクロニシティ』に対して懐疑的だった私たちを見透かしたように、2番ではこう歌われています。口には出さないけれど、世界中の誰もが他の誰かの幸せを願っているんだよ、と。

これは言ってしまえば、ただの希望的観測に過ぎません。たまたますれ違っただれかが他の誰かを思い浮かべているとは限らないからです。

しかしながら、もしもそんな世界であるならば。もしも誰もが他の誰かの幸せを願う、愛に溢れた世界であるのだとしたら。

そんな世界なら、オカルトじみた『シンクロニシティ』《意味のある偶然の一致》だって起こりうるかもしれません。

 

だから
一人では 一人では負けそうな
突然やって来る悲しみさえ
一緒に泣く 誰かがいて
乗り越えられるんだ
ずっと
お互いに お互いに思いやれば
いつしか心は一つになる
横断歩道で隣り合わせた
他人同士でも
偶然…

シンクロニシティ 作詞 秋元康

愛に溢れた世界だから、一緒に無く誰かがいて悲しみを乗り越えられるんだ。

一人で悲しみを抱え込むのは辛く苦しいものです。だけど、自分のことのように悲しんでくれる誰かが傍にいてくれればずっと気持ちは楽になります。

そして『シンクロニシティ』が起こりうる世界

悲しみを共有する相手はもはや言葉を交わした親友である必要もありません。《いつしか心は一つになる》。それは一緒に信号を待っている知らない誰かであっても、横断歩道で偶然隣り合わせた他人同士であっても、きっと偶然起こりうることなのです。この愛に溢れた世界ならばきっと。

 『シンクロニシティ』が起こりうる世界。そこでは理由のない涙にだって大きな意味があります。

 

 

3番

抱え込んだ憂鬱とか
胸の痛みも76億分の一になった気がする

シンクロニシティ 作詞 秋元康

 もし世界中の人と心が通っているとするならば。その時は、誰もが自分の悲しみを理解してくれています。世界中で、どこかの誰かが自分のために涙を流しています。

もはや悲しみは76億人という世界人口で分け合っている感情であって、ほんのわずかな存在でしかないでしょう。『シンクロニシティ』が起こるのなら、胸の痛みなんてあってないものであるかのように思えてくるのです。

 

 

泣いてる人のために
僕もどこかで
何も気づかず そっと涙流したい

シンクロニシティ 作詞 秋元康

だからこそ、僕もどこかでそっと涙を流したい。

事情なんか知らなくてもいいんです。ただ、少しだけ痛みを感じてあげればそれだけでいい。愛を分け合えればそれでいいのです。

『シンクロニシティ』《意味のある偶然の一致》。

今もどこかで誰かが悲しんでいます。

そして誰かの心が共鳴して、きっと優しい涙を流しているはずなのです。

 

 

 

まとめ

『シンクロニシティ』、意味は『意味のある偶然の一致』

なんで泣いてるのか、理由なんかわからない。本当はそこに意味なんかないんだろう。埃が入っただけ、と言ってしまえばそれまでだ。

だけど、これはきっと誰かのために泣いているんだ。誰かの悲しみを分け合って、きっと誰かが涙を流しているんだ。世界中の誰もが心を通わせているんだ。

 

 これはもちろん、ただの偶然の一致に過ぎません。そばにいる誰かの涙と自分の涙は同じものであるはずがないし、まして遠く離れた誰かの涙なんて全くの無関係であるはずです。

だけどそれでもいいではありませんか。もっとこの世界の愛を信じてみようじゃありませんか。きっと胸の痛みは分け合えます。偶然流れたその涙には、きっと意味があるはずです。

『シンクロニシティ』《意味のある偶然の一致》

これは「この世界の愛を信じよう」という乃木坂46の希望の唄なのです。

 

 

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