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【歌詞解釈】King Gnu『Slumberland』感想と歌詞解釈!社会を揶揄する衝撃作


アルバム「Sympa」収録、King Gnu 「Slumberland」。直訳は「まどろみの国」といったところでしょうか。世相を斬り捨て、我が道を突き進む彼らの有様を歌った最高にクールな楽曲です。

ミュージックステーションにKing Gnuが出演した際もこの曲が披露され、その奇抜なパフォーマンスが注目を集めました。

早速解説していきます!

楽曲について

タイトルの「Slumberland」、「まどろみの国」は恐らく東京、ひいては日本を指しているものだろうと推測できます。私たちの見ている「日々の営み」という幻想から目を覚ませ。そう訴えかける歌詞は、一見ありがちな題材でありながら他の楽曲とは一線を画す圧倒的なクールさを含蓄しています。

作詞の常田さんはインタビューで「この歌詞に関しては別に何かを批判しているわけじゃないんです。むしろ、そんなものは関係なくて。『世間ではいろいろあるみたいだけど、こっちは今それどころじゃねえよ』という感じですね。」と語っています。

楽曲自体はメディアを揶揄するような歌詞であるものの、彼らはもっと先を見つめているのです。

King Gnu「Sympa」インタビュー|誰よりも高い場所へ、4人が放つ初メジャー作 - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

 

MVもまた攻撃的で、拡声器片手にニュースステーションに突っ込んでいく姿はとにかくかっこいい。 必見です。

 

 

 

歌詞解釈

日本における「日々の営み」を徹底的に叩き上げる本楽曲。まずはワイドショーを潰しにかかります。

TVステーションでは今日も
騒ぎ立てているコメンテーター
耳障りで狂言めいた
遠い世界の話ばかりだな

King Gnu 「Slumberland」 作詞 常田大希

大したことのない情報を、無闇に膨らませて騒ぎ立てるコメンテーター。

ここでは報じ方が問題視されるようになった現代の情報番組を揶揄しながら、そんなもの「遠い世界の話ばかりだな」と一蹴しています。

 大げさに騒いでるけれど、そんなもんいちいち構っていられねえよ、と。

 

 

正義もヘッタクレもない
悪事も結託すりゃバレないな
甘い蜜だけを吸っていたい
薄っぺらいピエロはあっちへ行きな

King Gnu 「Slumberland」 作詞 常田大希

ここでは否定の対象を一般化。

悪事だって警察や行政と組んで情報操作してしまえばバレやしない。そんな世の中で正義だ何だと騒ぐ人々に「正義もヘッタクレもない」と背を向けます。

「薄っぺらいピエロ」は勿論比喩。

その場だけの薄っぺらい仮面を被って、自分の利益ばっかり考えている輩。そんな奴はこっちに関わってくるな、と清々しく言い放っています。

 

ここまでが、この「Slumberland」の惨状を歌った歌詞。サビでは一般大衆に向けて、「いい加減まどろみから目を覚ませ」と訴えかけます。

 

 

“Wake up people in Tokyo Daydream”

Open your eyes, open eyes wide.
目を覚ませ、目を凝らせ
Rock'n roller sing only ‘bout love and life.
所詮ロックンローラーは愛と人生しか歌えないんだ

“Wake up people in Tokyo Daydream.”

Open your eyes, open eyes wide.
目を覚ませ、目を凝らせ
It could be the start of something new tonight.
今夜、真っ新から始めよう

King Gnu 「Slumberland」 作詞 常田大希

「Wake up people in Tokyo Daydream」。

訳すると「東京の白昼夢の中の人々よ、目を覚ませ」となります。

ここでいう「Tokyo Daydream」はここまでの歌詞で訴えてきた社会の惨状。メディアの過剰な報道に踊らされ、正義だ悪だののくだらない議論に没頭する人々はまさに”Tokyo Daydream"とともにまどろんでいるのです。

そんな人々で溢れかえっている場所こそが "Slumberland" 、まどろみの国。

 

「Rock'n roller sing only ‘bout love and life.」という一文が皮肉めいていてこの上なくかっこいい。「所詮ロックンローラーは愛と人生しか歌えないんだ」。

俺たちは所詮愛と人生しか歌えないんだから、社会がどうとか知ったこっちゃねえよ。

なんだかカリスマ性に溢れていますね。

 

人々よ、まどろみから ”目を覚ませ 目を凝らせ"。遠い世界の話とか正義がどうとかどうだっていいじゃないか。"今夜、真っ新から始めよう"。

 民衆を新たな方角へ導く様はまさに”King Gnu"、巨大のヌーの群れの主に相応しいものを感じます。

 

昼に眠り夜に始める、として、昼夜逆転してあるところもポイント。とことん今の社会の常識から切り離して歌詞が描かれています。こういうところもいちいちオシャレでかっこいい。

 

 

2番でも、おかしな「Slumberland」の現状を斬り裂きます。

 


ド派手に着飾ればセンセーション
中身二の次TVステーション
すっからかんなセレブレーション
素っ裸で今夜のシュミレーション

King Gnu 「Slumberland」 作詞 常田大希

韻を踏みながら世間を揶揄。もっとも、全部「〜ation」で終わる単語だから当然っちゃ当然なんですが。

ド派手に装飾してしまえばどんな事実もセンセーション(大事件)になる。TVなんて見かけのインパクトだけ。セレブレーション(祝賀)なんて中身はすっからかん。

”そんなもん本当に重要か?”と訴えかけているようです。

最後のだけちょっと浮いてる感じがしますが、ロックンロールのファンキーさをここでぶっ込んで来たのかな…と個人的には考えています。

 

“正直者は馬鹿をみる”
ディスるだけのアンチヒーローを射る
私腹を肥やす足長親父
子供を騙してはメイクマニー

King Gnu 「Slumberland」 作詞 常田大希

ここも社会の惨状を羅列。

「ディスるだけのアンチヒーロー」という表現が難解ですが、あくまで「ヒーロー」とみなされていることから、ここでは「社会体制を批判する(だけの)英雄」を指していると捉えることができます。この曲を歌っているKing Gnuもまた「アンチヒーロー」にあてはまるでしょう。それを簡単に射てしまうのがこの「Slumberland」だと。「私腹を肥やす足長親父 子供を騙してはメイクマニー」は文字通りです。

 

 

そんなくだらない世の中につきあうなんて馬鹿らしいよな、と今にも聞こえてきそう。

 


 

擦れて溶けたビロード
からは露わ傷を披露
けれど血は出ぬ我が身
中身が空っぽの強み、伴う痛み
来た道振り返り生まれる弱み
寄せては返す人の波
それでも繰り返す日々の営み

擦れて溶けたビロード
見事に露わ傷を披露
けれど血は出ぬ我が身
中身が空っぽのお詫び
のらりくらり都会暮らし

King Gnu 「Slumberland」 作詞 常田大希

ここではこれまでの社会批判、人々への糾弾の箸休めとして、主人公の心情吐露がなされています。ラップ調でこれでもかと韻を踏みつつ、「アンチヒーロー」として生きる苦しさを吐露。

社会との摩擦で傷つこうとも、自虐的に捉えて中身が空っぽである以上、出血のように目に見える形で苦しさが現れることなどない。別に失うものなんてない。そう歌っています。

そのお詫びが、「Slumberland」での都会暮らしを送ること。つまりあくまで不本意ではあるけれど、この狂った国で日々の営みを送るしかないという現実を強調しているわけです。

 

 

“Wake up people in Tokyo Daydream.”

Open your eyes, open eyes wide.
目を覚ませ、目を凝らせ
Rock'n roller sing only ‘bout love and life.
所詮ロックンローラーは愛と人生しか歌えないんだ

“Wake up people in Tokyo Daydream.”

Open your eyes, open eyes wide.
目を覚ませ、目を凝らせ
It could be the start of something new tonight.
今夜、真っ新から始めよう

King Gnu 「Slumberland」 作詞 常田大希

「Wake up people in Tokyo Daydream.」

こんな世の中でまどろんでいる人々よ、「目を覚ませ、目を凝らせ 今夜、真っ新から始めよう」。

どんな曲よりも狂っていて、猟奇的で、それでいてどんな曲よりも現実を見つめた一曲「Slumberland」。とにかくかっこいいのでまだ聴かれていない方は必聴です!

 

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終わります!

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