やせっぽち寄稿文

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【欅坂】「黒い羊」歌詞の意味を徹底解釈!社会への反逆、欅坂46の話題作!


2月27日発売、欅坂46「黒い羊」。

その名の通り「black sheep」、厄介者を主題として描いた、社会に対する痛烈な問題提起ともいえる楽曲です。詳しく解説します!

 

 

楽曲について

2月27日発売の欅坂46,8thシングル表題曲。2月1日にはMVも公開されています。

黒い羊

黒い羊

  • 欅坂46
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

毎シングルのことながら楽曲発表前はセンター平手友梨奈の進退についてファンの間で議論が交わされるのですが、今楽曲もセンターは平手さん。というか、この曲は平手さん以外ありえないような…

 

MVについて

鳥肌が止まらない圧倒的な世界観。「圧倒的」なんて言葉ではとてもじゃないけど形容しきれない。これ以上語るときりが無いので感想は差し控えます。

撮影しながらみんなで泣いていた、というメンバーのエピソードもMVを見れば納得です。

平手さんの表現力には驚愕。過去のどのMVとも相異なる全く新たな欅坂46。必見です。

 

歌詞解釈

※前提として、全て私の個人的な解釈です。聴く人によって何通りも捉え方はあるだろうと思います!

 

今までの楽曲の流れを汲んで、社会への背反を全面に押し出したこの楽曲。過去の曲との系譜としては「エキセントリック」であったり、「不協和音」であったりと繋がっているように思えます。

しかしながら、そうした楽曲、特に「不協和音」とは唱っている内容が大きく異なってくる。詳しくは後述しますが、今までの主張に加えて一種「諦め」だとか、「呆れ」だとか、そうした感情も一気に詰め込まれた新たな境地での楽曲だと思います。

早速歌詞を見ていきましょう!

 

信号は青なのか?それとも緑なのか? どっちなんだ?
あやふやなものは はっきりさせたい
夕暮れ時の商店街の雑踏を通り抜けるのが面倒で
踏切を渡って遠回りして帰る

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

歌い出し。いきなり疑問文でスタート。

この部分自体は曲の主題に直接関わってくることはないように思えます。いわば導入部分。主人公の内面の間接的な説明です。肯定的な事物である「青信号」にすら疑いを投げかける。大衆に紛れるのなんてまっぴらだ。そんな性格でしょう。

「夕暮れ時の商店街の雑踏を通り抜けるのが面倒で」が平手さんの語り。一曲を通してセンチメンタルな部分というか、感傷的な部分は彼女の語りになっているように思います。

余談ですが、乃木坂46の楽曲「帰り道は遠回りしたくなる」にしろこの曲にしろ、秋元さんは帰り道で遠回りすることに深い思い入れでもあるんでしょうかね…笑

 

放課後の教室は苦手だ
その場にいるだけで分かり合えてるようで
話し合いにならないし 白けてしまった 僕は無口になる
言いたいこと言い合って
解決しようなんて楽天的すぎるよ

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

Bメロ。先ほどの部分が「起」だとしたらこの部分は「承」にあたります。

なんらかの話し合いをしている放課後の教室。自然な成り行きで何かを決定しようとした矢先、それを許さない主人公が口を挟んだのでしょう。結果話し合いにならないし白けてしまった。

「言いたいこと言い合って解決しようなんて楽天的すぎるよ」と考えているように、主人公はお互いに意見を言い合って進んでいくことになっている学校の話し合いに懐疑的な考えを持っています。結局は分かり合えているような雰囲気で議論が進んでいき、主人公のように声を上げるものは邪魔者扱いされるから。

今後のこの曲の展開も大半はこの出来事を基にして進んでいきます。

 

誰かがため息をついた
そうそれが本当の声だろう

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

Cメロ。それが本当の声、つまりみんな話し合いの行き詰まりに呆れている状況。

そしていよいよサビへ。

 

黒い羊 そうだ僕だけがいなくなればいいんだ
そうすれば 止まってた針は また動きだすんだろう
全員が納得するそんな答えなんかあるものか
反対が 僕だけならいっそ無視すればいいんだ
みんなから説得される方が居心地悪くなる
目配せしてる仲間には 僕は厄介者でしかない

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

先ほどの教室での出来事から。

周りの意見に黙ってうなずくことがどうしてもできない主人公。

黒い羊。それは主人公だって自覚していてそれを曲げる気なんてない。いちいち説得せずに無視してくれと糾弾している。

ここに「不協和音」にはなかった「諦め」「呆れ」といった感情を感じます。

 

不協和音を 僕は恐れたりしない
嫌われたって 僕には僕の正義があるんだ
殴ればいいさ 一度妥協したら死んだも同然
支配したいなら 僕を倒してから行けよ!

欅坂46 「不協和音」

「不協和音」でも「黒い羊」同様主人公はいわば厄介者。しかしながら、こちらでは主人公は死んでも妥協しない。社会には飲まれない。

また「エキセントリック」でも主人公は「はみ出してしまおう、自由なんてそんなもの」とあくまで自己肯定的。自分の存在を否定する気は全くない。

しかしそれを「黒い羊」では完全に諦めてしまっています。どうせ僕がいなくなればいいんでしょ?と。社会の流れに抗うことをやめた主人公の呆然。それがこの曲の一つの大きな特徴だと感じました。

続けます!

 

真っ白な群れに悪目立ちしてる
自分だけが真っ黒の羊
どういったって同じ色に染まりたくないんだ

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

平手友梨奈ソロパート。言わんとすることはサビと何ら変わらないのですが、彼女の暗い口ぶりで改めて語ることであくまで折れる気はないということを強く印象付けています。

どこか弱くて儚い存在であり、実際に社会に対して懐疑的な性格の彼女に象徴的に歌わせることで、楽曲を特徴付けられる。それがセンター平手さん続投の要因かな…と個人的には思います。

 

2番に関しては補足的な情報の追加と、同様の主張の強調で構成。

1番 →(1番サビ・2番カット)→ 2番サビ→ ラスサビ のテレビサイズである程度完結できるように作詞されてるような感じがします。

 


 

薄暗い部屋の灯りを点けるタイミングって いったい いつなんだろう?
スマホには愛のない過去だけが残ってる

人間関係の答え合わせなんか僕にはできないし

そこにいなければ よかったと後悔する

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

2番冒頭。過去の回想です。

「薄暗い部屋の灯りを点けるタイミングって いったい いつなんだろう?」。初めから暗かったのなら部屋に入ったタイミングで点けるでしょうから、時間の経過の描写だと思われます。ずっと一人部屋にこもって過去の人間関係を振り返っている。

どうやらこの曲の主人公は昔から人間関係でうまくいってない様子。ずっと黒い羊だったと。

「人間関係の答え合わせなんか僕にはできないし」もソロパートなのですが、ここでも「諦め」のような感情が垣間見えます。

この部分は主人公の内面を掘り下げた補足的な部分だと思われます。

 

人生の大半は思うようには行かない
納得できない事ばかりだし
諦めろと諭されてたけど
それならやっぱ納得なんかしないまま その度に何度も唾を吐いて
噛みついちゃいけませんか?

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

諦めろって言われてきたけどやっぱり「嚙みついちゃいけませんか?」ともう一度請願。「いっそ無視すればいい」とまで一度は言い切りましたが、やっぱり諦めきれていなかったんです。

しかし、次の歌詞が特に印象的。

 

NO NO NO NO
全部 僕のせいだ

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

否、もう嚙みついたりなんかしない。全部僕のせいだ。

「不協和音」などの自己啓発的な楽曲とは一線を画します。結局諦めて全てを背負いこんだ。

さらに印象的なのがこの部分の歌われ方。 「全部僕のせいだ」は例によって平手友梨奈ソロパート。今にも掻き消されそうな、自分を押し殺したような声で歌い上げられます。まるで自分に言い聞かせるかのように。内心諦めきれていないけれど、もうそうするしかないから。

一曲を通して最も象徴的なパートといっても過言ではありません。

こういう部分を聴いてしまうと、やっぱりセンター平手さんの存在感って凄いんだなと圧倒されてしまいます…

 

2番のサビですが、基本的に1番のサビと同じ文章です。しかしながら、最後に一言だけ痛烈に言い放ちます。

 

(中略)

目配せしてる仲間には 僕は厄介者でしかない

わかってるよ

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

力強くただ一言、「わかってるよ」

ここまでの歌詞の全てがここに集約される気がします。全部わかってる。全部僕のせいだってこともわかってる。自分が黒い羊だなんてとっくにわかってる。わかってるんだけど。

「諦め」「呆れ」の感情の裏に、常にこれまでの欅坂の楽曲の「反逆心」というものが見え隠れします。相反感情という意味では一つ前の表題曲「アンビバレント」の要素も包括。まさにこれまでの楽曲の集大成といった様相です。

 

そしてここからが新たな展開。

2番のサビとラスサビの間の間奏では、これまでのダークな雰囲気から一変、コーラスを交えたファンシーな世界観を演出します。明らかにここまでの楽曲の内容にそぐわない。言うなれば「白い羊の世界」といったところでしょうか。主人公の理念とは相反する、馴れ合いの社会を象徴しているように感じます。MVの展開を見てもこの解釈で間違いないでしょう。この「白い羊」が現代社会を暗示していることは言うまでもありません。いわばサイレントマジョリティー。教室での議論も当然その暗喩だと思われます。

そしてまたダークな曲調に一変、畳み掛けるようなラスサビへと移行。

「畳み掛けるような」という形容がこれほどまでに合致する楽曲はそうない。そのくらいここからの展開は圧倒的。

 

白い羊 なんて僕は絶対になりたくないんだ
そうなった瞬間に 僕は僕じゃなくなってしまうよ
周りと違うそのことで 誰かに迷惑かけたか?
髪の毛を染めろという大人は何が気に入らない?
反逆の象徴になるとでも思っているのか?
自分の色とは違う それだけで厄介者か?  Oh…

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

「全部僕のせいだ」「わかってるよ」。一度はそう言い聞かせたものの、白い羊になる気になんて絶対にならないんです。たとえ自分が厄介者だとわかっていたとしても。

「誰かに迷惑かけたか?」「反逆の象徴になるとでも思っているのか?」「自分の色とは違う それだけで厄介者か?」と、「白い羊」、ひいては「大人」を問い詰めます。自分を黒い羊とみなす社会なのであればそれはもう諦めた。でもそれだけで厄介者なのか?と。

黒い羊の最後の反逆。現代社会への猛烈な背反。

 

そして最後に、「白い羊」ではなく、曲を聴いている私たちを問いただします。

自らの真実を捨て
白い羊のふりをする者よ
黒い羊を見つけ 指をさして笑うのか?
それなら僕はいつだって
それでも僕はいつだって
ここで悪目立ちしてよう

欅坂46 「黒い羊」 作詞 秋元康

お前は白い羊のふりをし続けるのか?

自分だって黒い羊なのに、黒い羊を指差して笑うのか? 現代社会に対する明確な問題提起。お前はそれでいいのか?、と。

さらに「それでも僕はいつだって ここで悪目立ちしてよう」。自分が「今の社会において」悪目立ちしていることは完全に認めています。もう自己啓発なんかではない。その上で、それでもここで悪目立ちしてよう。自分は変わるつもりはない。変わるべきは現代社会、ひいてはあなたのほうだ。そう訴えかけているようにさえ感じます。

「不協和音」にも「エキセントリック」にもなかった新たな展開。「サイレントマジョリティー」には近いものがあるかもしれません。自分はたしかに厄介者だ。でも社会がおかいしんじゃないか。あなたが変わるべきなんじゃないか。そう投げかけているようです。

 

MVの終盤の展開も圧巻。

「自らの真実を捨て 白い羊のふりをするものよ」からの平手さんの演技力には鳥肌が止まりません。

もはやあの場面の平手友理奈がこの楽曲の全てを物語っていて、自分の歌詞解釈なんてもののちっぽけさを痛感させられました。彼女に叶うはずがない…

まだ見ておられない方には閲覧されることを強くお勧めします。

 

ちなみに平手さんが叫ぶシーンでなんと叫んだかは本人も記憶にないそうです。

 
 
黒い羊

黒い羊

  • 欅坂46
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

これまでの楽曲の内容を包含しつつ、また新たな世界へと駒を進めた「黒い羊」。これぞ欅坂46の世界観だと感じました。終盤の畳み掛けが非常に魅力的な楽曲です。

今後の欅坂の活躍に一層期待です!

終わります!

 

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