やせっぽち寄稿文

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【セカオワ】Mr.Heartache 歌詞の意味を徹底解釈!ファン待望の音源化!


SEKAI NO OWARI 「Mr.Heartache」 。MVが2015年大晦日に公開されたものの、以後3年間日本国内での音源化が一切行われてこなかったある種幻の楽曲。

それが2019年2月27日、アルバム「LIP」にて待望の音源化が決定いたしました!

MV公開当時のセカオワらしいファンタジックな世界観でありながら、活動初期の楽曲「死の魔法」のような優しく温もりのある歌詞が人気の楽曲。位置付け的には応援ソングといったところでしょうか。落ち込んだ時に無性に聴きたくなります。

全編英語ですが、さほど難解な歌詞ではありませんのでご安心ください。個人的には彼らの楽曲の中でもトップクラスで好きな一曲です。

早速解説していきます!

 

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楽曲について

先述の通り、楽曲公開自体は2015年大晦日。NHK全国学校音楽コンクール表題曲、「プレゼント」と同時に公開された楽曲です。親交の深いアメリカのミュージャン、Owl Cityと共同で制作されました。

しかしながら、当時日本国内でこの楽曲の音源を入手する方法は皆無。CDが発売されることはなく、MVの概要欄に記載されているiTunes Storeのリンクをクリックしても以下の画面が表示される始末でした。

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それが2019年、満を持して音源化。

初期のセカオワを思わせる親しげな、他のアーティストの応援ソングとは一線を画す独特の歌詞の世界観が非常に魅力的です。私自身何度この曲に助けられたことか。立ち直る勇気を与えてくれます。

幅広く人気を集めるセカオワ屈指の名曲です!

 

歌詞解釈

歌詞は全編英語ではありますが、高校英語でも十分読解可能な比較的平易な英語で書かれている上に、MVにはご親切に日本語字幕までつけてあります。ご安心を。

 

先述の通り、この楽曲は言うなれば「応援ソング」。いかに苦しみ、悲しみに立ち向かうのか、というのが主な焦点になってきます。

しかしながら、この楽曲最大の特徴は、その「苦しみ」というものの捉え方。

通常、「悲しみ・苦しみ」というものは立ち向かうべきものであり、敵であり、打破するべき存在です。世の中の多くの楽曲では概ねそのような捉え方で描かれています。

しかし、この楽曲は全くそうではない。これぞSEKAI NO OWARI、といったところなのですが、この楽曲での「悲しみ・苦しみ」というものの位置づけは完全に仲間であり、協力者であり、古くからの親友なのです。全くもって敵対関係ではない。

Hello my friend, Mr. Heartache.
How many times have we met?
How are you now?
It's been while
Since saw you last.

SEKAI NO OWARI 「Mr.Heartache」作詞 Fukase

冒頭の歌詞。和訳は

「やぁHeartache、久しぶりだね 君が来るのは何回目だろう?最近どうだい?最後に会ったのはいつだったかなぁ」となります。

「Mr.Heartache」。直訳すれば「心の痛み(さん)」といったところでしょうか。お分かりの通り、この楽曲は一曲を通して、「心の痛み」という友達へ語りかける形式で進行していきます。典型的な擬人法です。

「最近どうだい?最後にあったのはいつだったっけなぁ」なんてのはいかにも親しげで、とても「心の痛み」に対峙しているとは思えない。それこそこの楽曲の常軌を逸しているところで、ずっと「心の痛み」というものが友達なのです。そしてその「心の痛み」と再会できたことを喜んでいる。いかにもセカオワらしい、さらに言えばFukaseさんらしい描写です。

 

You were always right by my side.
You helped me grow up.
Now I need you just like before
How can I pick Myself up?

SEKAI NO OWARI 「Mr.Heartache」作詞 Fukase

1番のBメロ。訳は

「君はいつも僕のそばに居てくれたね そして僕を成長させてくれた でもまた君が必要なんだ 僕はどうしたらいい?」。

ここまで来ると、もはや「心の痛み」との関係性が通常の応援ソングと全く異なることが明らかです。「Now I need you just like before」、また君が必要なんだよ、なんて言ってしまってるわけですからね。

要するに、「心の痛み」が「僕」を救ってくれる存在なわけです。

しかも「How can I pick Myself up ?」。なんと「心の痛み」本人に立ち直り方を聴いちゃうという、常識的な感覚からすれば暴挙でしかない行動に出てしまっているんですが、それもこの楽曲の世界観あってこそ。

 

Hello again, Mr. Heartache.
Give me the strength to get up!

SEKAI NO OWARI 「Mr.Heartache」作詞 Fukase

サビはひたすらこのリフレインです。訳は

「やぁまた会ったねハートエイク もう一度 立ち上がる力を僕にくれよ」。

先ほどと同様、立ち上がる力を「心の痛み」に求めるという奇天烈なことが起こって居ますが、それがこの楽曲らしさです。だからこそ立ち上がれる。詳しくは後述します。

 

 

2番の歌詞も1番と同様、

「どのくらい居てくれるの?なんか飲み物とってこようか? 朝までお互いのこと話そうよ、どっから話す?」と言った具合に完全に旧友に話しかけるテンションの歌詞が続き、再び「また君が必要なんだ、どうすればいい?」と尋ねてサビのリフレインに入ります。1番から特に進展がないように見受けられますが、この楽曲の場合はそれで十分なわけです。

 

 

 

考察

核心的な部分を話していきたいのですが、この楽曲ではずっと申し上げている通り、「心の痛み」は友達であり協力者です。自身の辛い状況の原因がそうした「心の痛み」なのではなく、辛い状況に自身が置かれた結果として「心の痛み」が生じたという捉え方がなされています。

この捉え方をした時に何が起きるのか、という話なんですが、実際のところこの捉え方をした時点でもう全部解決しちゃっているんです。

何を言ってるのかというと、「応援ソング」の類の曲のゴール地点は多くの場合「苦しみに打ち勝つこと」「立ち直ること」といったことになってきます。要するに「心の痛み」の除去が最終目標とるわけ。

しかしこの楽曲の場合「心の痛み」はあくまでも「僕を成長させに来てくれた友達」でしかなく、むしろどうすれば立ち直れるかを尋ねててしまう相手。この時点で目的は達成です。つまるところ「心の痛み」を除去して立ち直る、というロジックを破綻させているんです、この楽曲では。価値観の転換。辛いのは状況そのものであって、あくまで「辛い」と思うことで生じたストレスは協力者。もはや自分自身の中に敵が存在しないんです。

 

だからこの比較的単調な歌詞の繰り返しだけで、「悲しみに打ち勝とう!」といった苦行を淘汰してしまったというわけ。

「Hello again, Mr. Heartache. Give me the strength to get up.」というのがこの楽曲の全てと言っても過言ではないのかもしれません。

 

だからこそこの楽曲を聴けば元気になれる。聴いたその瞬間から悲しみが味方になってくれるからです。「やあまた来たんだね!」といった具合に。そして苦しんでいることがバカらしくなってくる。気がづけばもう立ち直っています。歌詞に悲しむ様子が微塵も感じられないんです。

さらに言えば、曲調も非常にポップ。とても「心の痛み」と再会してしまった状況ではない。

極限まで苦痛という感情から歌詞、曲調ともに切り離すように作られているような、そんな印象を受けます。

そうすることで「心の痛み」をいとも簡単に味方に引き入れてしまったのがこの楽曲。セカオワマジックです。本当に素晴らしい…

これがこの楽曲が愛されるからくりというか、この楽曲の根本なんじゃないかな、と私は考えております。

 

 

SEKAI NO OWARI、というグループは基本的に「心の痛み」に打ち勝つ楽曲を書いたことがないような気がします。戦ったとしても基本的には負ける。

それはやはり彼らの過去の経験、いわば「世界の終わり」と彼らが呼んでいるバンド結成当時の絶望があったが故に、「心の痛み」というものが努力して打ち勝てる対象ではなくなっているからで、だから「Mr.Heartache」のような世界観を生み出し続けられるのかな…なんて思ったりします。絶望を体験した彼らにしか書けない。だからこそSEKAI NO OWARIは独創的であり続けるのかな…なんて。

「Mr.Heartache」。セカオワらしい名曲だと思います!

 

 

MVについて

先述の通り、2015年大晦日公開のMV。撮影はセットではなく、ほとんどが彼らが実際に住んでいる「セカオワハウス」で行われたというから驚きです(メンバー4人は基本共同生活)。

こちらも楽曲の世界観に沿って、極端に陽気なおじさんが家に遊びに来ます。どう見ても「心の痛み」ではない…笑

ユニークでクスッと笑えるMVになっていますので見たことがない方は是非!

 SEKAI NO OWARI「Mr.Heartache」 - YouTube

 

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  • SEKAI NO OWARI
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

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